2 アフメスのお父さんって・・・

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アフメスはこの辺りでは珍しい、彫りの深い顔立ちをしている。 さながら外国人が一人留学している、といった感じだ。 運動能力が高く活発で、好奇心旺盛な性格が年齢より少し幼さを感じさせる。 一方のワセトは、体つきががっちりとしたスポーツマンタイプ。 少年達の中では一番の力自慢で、冷静な物腰が大人びて見える。 「このレスリング大会、優勝したかったんだー!」 アフメスが無邪気に言った。 「だってさあ、優勝賞品がすごいじゃん!父さんと母さんが喜ぶぞー」 アフメスは一人でしゃべり続けた。 「沢山のパンに果物、野菜と豆・・・あと、特別に肉があるらしいよ」 「え?肉なんて、前回は無かったけど・・・」 ワセトが驚いて言った。 「だ・か・ら、今回特別だって!ああ~、どんな味なんだろう。貴族になった気分味わえるかな・・・」 アフメスはうっとりして天を仰いだ。 「・・・あんまり浮かれるなよ。でも親孝行できて良かったな。もう、お前の親父さん高齢だもんなぁ」 ワセトがアフメスを見つめた。 「しかし本当、お前は似てないよな・・・」
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