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蛇行した大行列は、ゆっくりと神殿に向かっている。
「ルーヤ様。聖剣ってご存じですか?」
アフメスがルーヤに問いかけた。
「聖剣……」
「聖剣って、不思議な力があるんです」
「はぁ」
「持った人の心とか、想いを反映する」
「私は弟のジェフラーに刺されたんですが、弟の剣は私の物と同じ聖剣のようなんです」
「?」
「刺された時から傷が痛まなくって……不思議でしょう?」
「……」
「私、死んだなんて実感無いんです」
「聖剣……弟の想い…?」
ルーヤは、しばし思索にふけった。
「……アフメス王子。ダメ元ですが、ジェフラー王子を秘儀に参加させましょう。希望はあるかもしれない」
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