23 エジプト王

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「北に不穏な動きがあるとか。エジプトを攻めるなら今が好機だと……ジェフラーが言ってたんです」 「ジェフラー王子が?」 「そうですか。しかしそう簡単に戦争など…国外情勢の把握は少し手間取っていますが、要所の砦も異常は無いですし、主だった動きは無いですよ」 「本当ですか?良かった…ジェフラーが、エジプト軍は最低だって言ったんです。私は憤慨しましたが、もしそれが本当なら確かにマズイなと」 「最低……」 「酷いでしょ?でも確かに、ジェフラーの方が厳しい訓練を積んでるんだろうなって。私も頑張らなくちゃいけないですね」 「……私は軍の事は詳しくないですが、確かに、戦争に直面しなければ厳しい訓練は行わないでしょうね……これも平和な時代の課題ですね」 アフメスはラメスセレトの顔を覗き込んだ。 「……神官様、どうしたんですか?さっきから顔が赤いですけど……熱でもあるんじゃ?」 「…えっ!?」 ラメスセレトはとっさにアフメスから目を逸らしたが、アクティーと目線が合った。 そして慌ててうつむいた。 「??」 アフメスとアクティーは不思議そうに彼を見つめた。 (……何か別の魔術でも掛けられたんじゃないだろうか……ファラオの事が頭から離れない) 不審な態度に加え、アクティーはある事に気づいた。 (顔にお化粧が付いている…?それに、花の香りも……まさか…これは浮気?!)
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