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「何だ?」
「ミタンニの王子がエジプトを訪問された際に、ティアリ様をお見初めになったという話をご存じですか?」
「いいや。知らないが」
「まあ、ミタンニだけじゃない。諸外国の王子は競ってティアリ様を…」
「へえ……」
「恐らく政略結婚の類でしょうが……しかしミタンニ王子はとても熱心でね。ティアリ様を王室に迎えたいという趣旨のファラオへの親書は、私が知るだけで10通は下らない」
「ティアリ様に直接宛てた恋文も多く届いたのですが…これらはファラオの命令で破棄されています」
「行き過ぎた考えかもしれませんが……王女を奪ってまで手に入れたいと願う人物は彼しかいないでしょう」
「一国の王子がそんな事をするかな……」
「え?あなただって、ティアリ様の為なら何だってするでしょう?」
「……。しかし、まさか……それに、ミタンニ王子がヒッタイトのリシアと何の関係が?」
「宰相。思い当たるところ、ありませんか?」
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