27 王女の行方

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僅かな明かりが灯る深夜の執務室 宰相と補佐官は立ったまま、テーブルを挟んで向かい合っている。 ヨークはテーブルに地図を広げた。 「ミタンニとヒッタイトの関係は…休戦状態の敵国同士というところですか。ミタンニはこの所、急速に領土を広げて来てる」 「今のところ、北部の砦には異常なしとの報告ですが……時間の問題かもしれない。安全に行けるとしても、シナイまででしょう。それから北はミタンニの影響下にあると思っておいた方がいい」 「不確かな情報だな」 「伝書鳩の情報は信じきれない。操作される可能性もあるし…あなたが実際に見て下さったら、我々は次の手を打てる」 「シリアやパレスティナは既にミタンニが制圧。エジプトとヒッタイトが戦争状態になれば、ミタンニはどうするか……」 「どちらにも付かず、傍観。しかも漁夫の利もあり得るかな」 「でしょうね。ミタンニにとっては美味しい話だ」 「……しかし…ワナかもしれない。これは机上の空論に過ぎない」
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