27 王女の行方

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「勿論、その通り。しかし罠だと知って、あなたはどうするんです?」 「……」 「リシアの罠に嵌るか、それとも王女を奪われたまま手をこまねいて……そのうちファラオの耳に入り責任を問われた上に開戦……」 「……」 「リシアは自身の証拠を残してる。しかもあなただけに分かる様に」 「……リシアのやりそうな事だ」 「そう。あなたは罠だと分かっても逃げられない」 二人は机を挟んで沈黙した。 ラメスセレトは沈黙を破って吹き出した。 「フフッ……その顔で、真顔になられても……」 「!!あなたが殴ったからでしょうが…」 二人はお互いの張れ上がった顔を見て苦笑した。 「ヨーク。私は行ってきます。後はお願いしますね。それから……この事、アフメス王子にだけ伝えておいて下さい」
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