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カーラー女王が手にしているのは石板だった。
「また、先王の石板の話ですか。もう聞き飽きましたよ」
「いいえ。先代王は多くの言葉を残しています。先王は偉大でした。人望もあって……エリホルス、あなたにも学んで欲しい」
「ファラオ!先王がそんなに偉大なのですか?」
「エリホルス。もちろんよ。何を言っているの?」
二人の間にわずかな沈黙があった。
「私が何も知らないとでも?私は、先王の子ではない!」
「エリホルス!」
「だが、それが何か?現ファラオ、カーラー女王の息子だという事実の他に、何か必要ですか?」
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