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「よいのです。アフメスは有望な若者です。私が育てたいのです」
ティアリはきっぱりと言い、アフメスを見つめた。
「アフメス、私はあなたに会えて嬉しい。今日のことは忘れません。どうか強く生きて下さい。エジプトのために・・・」
ティアリは美しい瞳に涙を浮かべていた。
アフメスはただ驚いたようにティアリを見つめた。
「!!」
神官は驚いて二人を見比べた。
(王女とアフメスはそっくりだ。いや、まさか・・・!?)
アフメスは頭の中が整理出来ないまま、たくさんの荷物を抱えてムウ神殿を後にした。
荷物は重かったが、アフメスは家に近づくに連れて元気になってきた。
(そうだ!家にそうっと近づいて、父さんと母さんを驚かせよう!こんなすごい優勝賞品見たらきっとびっくりするよ!)
アフメスはニヤニヤしながら家の窓によじ登って中の様子を伺った。
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