14 ゴールド・ラッシュ

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14 ゴールド・ラッシュ

「あぁ~、そう言えば明日は神殿で勉強する日だぁ」 アフメスの頭の中には久々にセクテの顔が浮かび、ため息を付いた。 「お前、少しは勉強しないと偉くなれないぞ」 ワセトがわざとらしくアフメスの肩を叩く。 夕食どき 訓練所の食堂で、大勢の訓練生が食事をしている。 今日は、比較的和やかだ。 食事も訓練の一環であり、皆とても素早いのだが、今日は違った。 アフメスは大きな口を開けてパンを頬張った。 「…なぁ、3隊は明日からヌビアへ行くんだったよな?」 ワセトはインゲン豆をかじりながら答える。 「あぁ。先発隊だよ」 「もしかして、初陣になるかもなぁ」 「多分、無いよ。オレたちもヌビアの金を採取しまくって帰ろうという魂胆だ」 「え!?金って、もらえるの?」 アフメスは目を輝かせて聞いた。
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