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29 愛か、力か
「―――暗号、とは思えないがなぁ」
テーベの書記官は、おもむろに言った。
「……えっ?」
ヨークは物思いにふけっていた。
テーベの書記官の執務室
暗号解読を依頼したヨークは、ファラオとの面会の場面を反芻していた。
(ファラオに真実を突き止められる前に、宰相は無事に戻って来るだろうか…)
「ヨーク、聞いてるのか?!」
「あっ…と、すみません。暗号と思えない、とは?!じゃあ、これは何なんですか?」
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