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7 ファラオの息子
カーラー女王の執務室
広い部屋に明り取りの窓が5つ、壁はよくある砂岩色ではなく、白っぽい色をしている。
女王は部屋に戻るなり、疲れた様子で着席した。
「……失礼します」
女王の許可を得ずに入室したのはエリホルスだった。
「……エリホルス。何の用かしら。今日はもう晩餐で疲れているのよ」
「ファラオ、先ほどは申し訳ありませんでした。私が……」
「何のことかしら。何かあったのかしら?」
「ファラオ……」
「もういいわ。今回はあなたの負けよ。相手が一枚上手だった…認めなさい」
「しかし、アフメスに負けた訳ではありませんよ。あれは……」
「エリホルス。あなたにも優秀な右腕が必要だわ。ファラオには、優秀な補佐が居なければ」
「私は…アフメスに知識や頭脳で劣っているとは思っていません。問題ありません」
「エリホルス。これを見て」
「これは……」
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