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私が引いてるのも構わず、今次さんが何かのナレーションよろしく自分のパソコンを操作しだしたので、仕方なく覗き込む。
それは読者の感想メールらしく、23歳の女性から送られていた。
『毎回楽しく読んでます♪特に女王様のペディキュアは僕の舌が大好きです!
でも、ラブグッズの紹介やランキングを参考にしてますが、あれってちゃんと女性が試してますかぁ?
参考にして一位のを買うと、物足りないのが多いです。もしかして、一位はサクラ??男の人が使いたいのと、女の子が気持ちいいのとは違いますよ!
是非、女性目線の使い心地が知りたいです!』
「どう思う?」
「どうって・・」
女王様のペディキュアにしか目が行かないんですけど。
まあ、言いたい放題な意見と言えど、確かに一理ある。
「ランキングについての意見は、なるほどなって思いますね。男の欲望と女の願望はずれがちですから・・その、男女の行為ってやっぱり気持ちも一体化しないと満足感得られないですし。」
編集長と言う、男女の欲求がぴったり一致して成功した例もいるけど。
「実際には誰かに試して頂いてるんですか?」
「正直言うと、提携してる店の意見聞いて参考にしてる部分が主かな。あと、読者アンケートとか」
「そっか・・食べ物系なら自分たちで食べてレポできますけど、そういう類じゃないですもんね」
それにしても、感想メールも本当に多いんだな、これ35/520じゃん・・
そこに感心していると、東雲さんがふむ、と頷いて顎に手を当てた。
「モニター兼ライターと意見が合ってよかった」
は?
「本人がこの意気ごみなら、良い記事がかける!野上さんへの報酬弾まないと」
満足そうに笑う東雲さんに、時が止まる。
モニター兼ライターって、妙な韻踏んで、あっさり流せる言葉じゃない。
「小雪ちゃんには、まさに女の子が気持ちいいと思えることを体験して、それを記事にしてもらうんだよ~」
明るく言われればいいってもんでもない。
ちょっと新しい店の試食して来て、みたいな軽い口調で言う今次さんを、思わず睨んでしまう。
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