恋に向いてない

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 石津は青いゼリーを口に含んで咀嚼する。そのままためらいなく一紀の蕾みへ口づけると、舌を挿し入れ、口中のゼリーを中へ送り込む。頬を膨らませ吹き入れる石津の頭を押しても、がっしりとした体つきの男はびくともしない。 「ああぁっ、や、いしづ……や、だ」  尻を両手でしっかりと固定され、逃げることが出来ない。これで残っていた三つのゼリー全てを注ぎ込まれてしまった。  中に侵入したゼリーはアルコールを含んでいるせいか、中を熱く火照てらせた。直腸から直接吸収してしまったアルコールは、酒に強いはずの一紀を酩酊させ、記憶を途切れさせた。  あるときは背後から揺さぶられ、ある時は舌を痛いほど啜られた。びりびりする感覚に声を上げ、気付けば腹が濡れていた。  零れたゼリーが一紀の身体に纏いつく。ルビーとサファイアをまぶしたようなきらめきを放つそれを石津が舐めとり、舌が這う感触に肌が震えた。  一方的に愛撫される行為に、一紀の頭は痺れっぱなしで上手く考えられない。  石津に抱きかかえられてシャワーを浴び、パジャマを着せてもらう。  好きだ、愛してると言われたことは何度もあったが、行為としてこれほど愛してもらったのは初めての体験だった。いやらしいことをされたはずなのに、宝物みたいに大切にされているとも感じられて、胸の奥がくすぐったい。 「ありがとな」  広い背中が離れたとき、反射的にその腕を掴んでいた。石津が振り返る。     
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