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次の日の朝、いつもより早めに起きた私はソワソワして落ち着かず、無駄に水汲みをしたり釣竿の調子を見たりしていました。
「 んん…おはよう…あら、オリーゼ……あなた、一体いつから起きてたの?」
「 3時間ほど前です!」
釣竿を抱えている私を見た後、ほぼ無くなりかけだった水瓶の水が満タンになっているのを見たお母様が呆れた様に苦笑しました。
「 落ち着きなさい、今朝食作るから待ってて。」
「 はい!」
それから暫くして、起きてきたお父様とザインお兄様と一緒に朝食をとります。
コンコン
そして、暫くするとドアがノックされたので玄関を開けると、そこにはミーンさんとゼノ君が居ました。
「 おはよう、今日はよろしくね!…ゼノ、ザイン君の言う事ちゃんと聞くのよ?」
「 …分かってるよ。」
籠を背負って、腰のベルトにナイフを携えたゼノ君が、少し不貞腐れて見えるのは人見知りだからだと言う事は知っています。
今日は、初対面のザインお兄様とお父様がいるのです。
「 よろしく、ゼノ君!」
「 …よろしく。」
「 もう、この子ったら!…… あ、そうだフェイ、今朝家の外にある水瓶がいっぱいになってたんだけど何か知らない?」
それを聞いたお母様が、目を見開いて私を見た後呆れたように首を横に振りました。
「 知らないわ…」
「 あら、そう…変ね…」
だって、落ち着かなかったんですもの!
まぁ、そんな事はどうでもいいのです!
採取…もといお魚釣りに行きましょう!!
私のキラキラとした視線を受け取ったザインお兄様が苦笑しました。
「 じゃ、行ってくるよ!オリーゼ、ゼノ君、あまり離れないでね?」
「 はい!!」
「 …はい。」
籠を背負った私達3人を送り出してくれるお父様とお母様に振り返ります。
「 お魚、いっぱい取ってきますね!」
それを聞いたお父様とお母様が、額に指を当てて俯きます。
「 お魚…?」と考え込むミーンさんにもニコリと微笑んで手を振ると、森に向かいました…。
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