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私達が森へ向かって居ると、あちらこちらからどんどんと同じような年頃の子供たちが同じ方向に向います。
そして、街の入口に着くと門番の人達に軽く挨拶を交わして出ます。
それから、暫く街道を進むと森が見えてきて、森に入って暫くすると大きな沼がありました。
ここが目標地点です!
「 じゃぁ…あっちの方は人がいっぱい居るから…あそこら辺で木の実でも取ろうか!」
沼の底周りには子供たちがいっぱい居ました。
どうやら、8歳間近の子供たちはこの沼に水を飲みに来る動物や鳥なども弓で仕留めてしまうみたいです。
だけれど、私達は今日は木の実や山菜の採取が目的なので、狩りをするグループからの誤射も考慮して人気の無い所で採取するようです。
…もっぱら、私は木の実や山菜では無く魚目当てですが。
「 んー、ここら辺でいいかな?…あ!早速これがアレブの実だよ!」
お兄様がそう言って一つ摘み取ったのは、木苺のように細くて小さい木になる赤い実。
実際、食卓ではよく見かけます。
その後も、メジャーな山菜やら木の実や毒のないキノコを教えてくれたザインお兄様。
「 じゃ、実際探して取ってこよう!あまり遠くに行かないでね!」
そう言って一時解散となりました。
ふふふ…待ってましたよこの時を…!
私はお母様が編んで下さった麦わら帽子をそっと外します。
そして、辺りをキョロキョロと見回すと、トンボに似た虫…トゥルナが葉に留まっているのを見つけました。
私はそろーりと忍び寄って帽子を構えます…
トゥルナに動く気配はありません。
……今です!!
バッ!!
と帽子を被せると、見事トゥルナの捕獲に成功しました!!
「 …何やってんだ?」
私が不審な動きをしていたから気になったのでしょう、ゼノ君が私の所に来ました。
「 これです、これ!トゥルナを捕まえたのです!」
私がババン!と見せ付けると、おぉ!とゼノ君が目を輝かせました!
「 それ、俺にも貸してくれ!」
そう言って私の麦わら帽子を指さすゼノ君にニッコリ笑って差し出します。
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