初めての森

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「 …見えない。」 「 でしょうね、でもいるのですよ…っ?!」 ポチャ! 私達がそんな会話をしていると、音を立ててグリンドの実が沈みます。 掛かりました!! 早いですね…まだ3分位しか経っていないのに!! 私は釣竿をギュッと握ります。 次の瞬間… 「 キャーっ!!」 ググググ! と竿がしなったと思ったら、ものすごい力で引っ張られました。 ヤバイです…!想像以上の大物見たいです…! 「 オリーゼ?!」 ゼノ君が驚いたように、私と竿を交互に見比べます。 「 うぅぅ…」 踏ん張っていますが、ズリズリと身体が少しづつ沼の方に引きずられます… 「 おい、それ離せ!」 「 い、いやですぅううう~!!」 ここまで苦労して作り上げたのです、手放すなんて考えられません!! この竿は命に替えても離しませんよ! 「 えっと…あ~もう!!」 そう言ったゼノ君が、私の身体が引き込まれないようにしがみついて一緒に踏ん張ってくれます! お陰で、ジリジリと沼に近寄っていた足は止まりました! 「 ふぬぅううう!」 踏ん張りに少し余裕が出来た私は、一生懸命にフッキングします。 しかし、腕を上げればまた引っ張って戻されます。 …負けませんよ! 井戸の水汲みで鍛えたこの引き上げ力、活かすなら今しかありません! 「 頼むから、それ離してくれ!!」 「 嫌だって…くっ…言ってるじゃないですかぁぁ~!!」 そんな問答をしていると、後ろから草を踏む音が聞こえました。 「 今なんか悲鳴見たいなのが聞こえ…オリーゼ?!?!」 どうやら、ザインお兄様だった見ようで慌ててコチラに駆け寄って来ました。 ナイスタイミングです!ザインお兄様! 「 お兄様…!竿を…竿を引っ張りあげて下さいませ!!」 暫くオロオロとした後、竿を指差して「 竿ってこれ?」と言うお兄様にコクコクと頷きます。 「 は、早く!」 「 わ、わかった!」 その後、必死に格闘して3分程… お魚の体力が尽きて来たのか、抵抗が少し緩まりました! 「 今です!!思いっきり引っ張りあげて下さいませ!ふんぬぅううう!」 「 ふぅうう!」 「 むぐぐぐぐ…!」 ザッパァ! 次の瞬間!大きな魚影が飛び出し、そのまま頭上を越えて行きました…
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