初めての森

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「 ぶへっ!!」 魚が大きな水飛沫を立てた事で、私達は一斉に泥を被りました。 後ろを振り返ると、草の上をドタドタと重い音を立てながら跳ね回るお魚…! で、デカイ…!! 「 はぁ…はぁ…や、やりました!!」 「 こ、これが…!」 「 本当にお魚とっちゃった…」 汗だくで、息も絶え絶えな私達ですが…それが落ち着く頃に、ドッと笑いが出て来ました。 「 うふふ!遂に釣りました!!釣ったのですよー!」 「 ははは、お前、泥だらけだぞ!」 「 あはは、ゼノ君だって泥だらけだよ!」 3人で、お互い水玉模様の泥だらけの顔や服を見て笑い会います。 これが釣り…素晴らしく楽しいです! やはり、思っていた通り最高でした!! 「 …にしても、まさかこんな大物がかかるとは思いませんでした!」 「 …だね、僕もビックリだよ」 「 俺、牛と豚の次に大きい生き物だと思う。」 ゼノ君、それは大袈裟ですよ……と言っても、街の中じゃそれ位しか見ないので納得してしまいました。 「 じゃぁ…針を外しますね…」 私は、大分弱りましたがまだ少し跳ねるお魚を押さえつけて、針を取ります。 …前世で見た本やテレビで外し方を知っていましたが、実際やるのは初めてなので少し手間取ってしまいましたが、何とか取れました! 「 お前、すげぇな…」 「 うん、勇気あるよ…」 少し引き気味の2人に、お構い無しのドヤ顔を向けた後、籠を持って来ます。 そして… 「 ふんぬぅううう!」 踏ん張って、動き回るお魚を入れようと思ったのですが、重くて持ち上がりませんでした… 仕方がないです… 籠を横に倒して、魚を押して何とか入れました。 この魚…見たところナマズにそっくりですね。 この世界では何という名前なんでしょう? 帰ったら聞いてみましょう! 魚を入れた籠をの底に葉を敷き詰めてから立てて、更に上からも葉を掛けてお魚が乾燥しないようにします。 「 …今日はもう、採取所じゃないね…帰ろうか。」 「 賛成です!」 「 俺も!」 そう言う訳でザインお兄様に籠を背負って貰い、私達が後ろからその籠を一緒に持ちながら家に向かいました。
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