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とても大きなお魚が取れたので、張り切ってお母様達に見せる!と息巻いていた私達は、2人から落ちたカミナリにションボリとしてしまいます…。
「 さっさと着替えて手を洗ってきな…」
ドタッ
そこまで言いかけたお母様が、ザインお兄様の籠から聞こえた不審な音に言葉を止めました。
「 ね、ねぇ…その籠…何が入っているの?」
「 だから、魚だって…」
お母様の問に、ションボリしながら籠をお兄様の背中から降ろした私達はそれをずいっと前に出す。
「 えっ……?」
お母様とミーンさんが、少し表情を変えて籠を覗き込みますが、葉がかかっているのです。
それをお母様がそっと手で退けると…
ドタッ!
バタバタバタ!!
「 キャーーー!!」
今日一番の飛び跳ねを見せて籠から飛び出したお魚。
お母様とミーンさんが悲鳴を上げて後ずさりました。
「 う、嘘…」
「 信じられないわ…」
絶句している2人の様子を見た私達は顔を見合わせた後、今度こそ得意げな笑顔を浮かべた。
「 ね?本当でしょ!」
「 釣るのに大分苦労しました!」
「 すげーだろ!!」
絶句して、暫く跳ね回るお魚に若干怯えているようにもみえる2人を他所に、私達は籠やナイフを外しました。
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