初めての森

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「 ははは!凄いじゃないかザイン、オリーゼ!!まさかあんな道具で本当に取れちまうとわな!しかもあんな大きな魚見た事ないぞ!!うちの子は天才だ!!」 「 ちょ、痛いよ父さん!」 「 お父様、お髭がジョリジョリと!」 それでも構わず、手放しに褒めて下さるお父様の言葉が嬉しくて嬉しくて堪らないのも事実なのでニヤニヤが止まりません。 「 ゼノ!お前も凄いぞ!!人見知りするからまともに会話もしないと思ってたらあんな大きな魚…!きっと力を合わせて取ったんだよなぁ…」 「 え、ちょ、泣くなよ父さん…恥ずかしいだろ…」 そう言って抱きつかれているゼノ君も、満更でも無さそうに頬を赤らめてました。 その様子を見て、あらあら、とお母様達も笑っています。 そして、改めて思いました。 あの時釣竿を離さなくて良かった…と。 それから暫くして、全員落ち着いた所で次の問題に直面します。 それは、ナマズをどう料理するかです。 「 …提案なんですが、スープに入れるのはどうでしょうか?」 「 分かったわ、他には?」 「 やはり、フライと塩焼きですかね…ごめんなさい、これ以上思い浮かびません。」 「 それだけ出してくれたら十分よ、私はスープを担当するわね」 「 じゃぁ、私達はフライと塩焼きね。」 お母様とミーンさんと話し合い、献立が決まりました。 一方、殿方組は今日の釣りの話をしています。 まぁ、いいです! お魚料理!お魚料理! 実は転生してからお魚を1口も食べて無かったので恋しかったのです! 「 お父様!お魚をまな板まで運んで下さいませ!」 「 ん?おう!任せとけ!」 お父様が子供たちの話を聞いていた顔をコチラに向け、お魚の入った水瓶に近寄ります。 「 え~っと…こうか…?こう…」 そうして、お魚を掴むデモンストレーションをしたお父様が、遂に水瓶に手を入れて巨大ナマズを掴みした。 「 おっととと…」 「 危ない。」 そして、ヌルヌル滑るナマズをニックさんがすかさず手を添えてフォローします。
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