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お父様が落ち着きを取り戻す頃に、私もお料理に口を付けます。
まずはフライ…
「 …!!」
噛んだ瞬間、サクッ!と音がして次いでジュワッと旨みのある脂がにじみ出てきて、プリプリとした身がまたたまりません!少しだけ泥臭いですが、気にならない程度です!
ナマズなど、日本で食べた事無かったのですがこんなに美味しいとは思いませんでした!
他の料理もどんどん食べて、気づいたらあんなに沢山あったのに、お皿やお鍋が空っぽです!
「 …お母様、これからは森の沼でお魚をメインに採取しようと思うのですが…よろしいですか?」
私がそう言うと、目をギラりと輝かせたお母様が頷きます。
「 えぇ…こんなに美味しい何て思わなかったし、色んな料理に合いそうだもの。貴方達が帰ってきた時間からしても、かなり簡単に取れるみたいだし…そして何より、今のうちに捌き方を完璧にしておかなくちゃ…手伝ってくれるわよね、ねぇ、ミーン?」
お母様の底冷えするような笑顔に、ミーンさんは焦りながらも「 え、えぇ!勿論よ!」とうなづきます。
だけど、お父様だけ何故か冷や汗を垂らして硬直していました。
それから暫くして、お片付けを一緒にしてくださったゼノ君の御家族が家に戻ります。
「 じゃぁな、オリーゼ、ザイン兄ちゃん!また明日!!」
「 はい、明日もよろしくお願いしますねゼノ君!」
「 明日は僕達の分の釣竿の素材も取ってこようね!おやすみ!」
ミーンさんとニックさんにも挨拶を終えて、帰る背中を見送りました。
それにしても、いつの間にザインお兄様はゼノ君にザイン兄ちゃんと呼ばれる程仲良くなっていたのでしょう……私の方が先に出会ってる筈なのに少しだけ悔しいです。
私も、歳の近い女の子のお友達が出来たら、オリーゼお姉ちゃん…とか呼んで貰えるのでしょうか?
そして行く行くは、女子釣り部を立ち上げ…
「 そろそろ寝なさい、明日もやるんでしょ?」
「 はーい!」
にまにまとしていると、お母様にそう言われたので布団に入ろうとしたのですが、途中でお父様に捕まってお父様と寝ました。
反対側の腕にはザインお兄様が、「 もー、こんな年になったのに恥ずかしいよ…」と言いながら捕まってますが、そこまで嫌そうな顔ではありません。
微笑ましく思いながら、その日はグッスリと寝ることが出来ました。
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