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次の日の朝、私が起きる頃には既に全員起きていました。
「 起きるのが遅いぞ!」
そして、思わぬ人に叱咤されます。
「 あら?何故ゼノ君が…?」
お父様は既にお仕事に向かわれたのか、見当たりません。
そう言うと、テーブルで朝食を取っていたザインお兄様とお母様が苦笑します。
「 ゼノ君も早く釣竿が欲しいみたいで、オリーゼが起きるのをずっと待ってたんだよ。」
「 ほら、早く食べちゃいなさい。」
なるほど、確かに釣りを1回味わってしまったらヤミツキになるその気持ちは良く分かります。
かく言う私は、テレビで見ただけでヤミツキになってしまったのですから
私は2人に、はーい!とお返事をして食事を取ります。
朝食を終えると、ゼノ君に急かされて手早く採取に行く準備をしました。
「 準備出来たな!よし、行くぞ!!」
そんな調子のゼノ君に背中を押されるようにして家を出ます。
「 気を付けるのよ、無茶はしないようにね!」
お母様にはい!と返事を返して森に向かいました。
「 お、来たなボーズ達!」
暫く歩いて、街の門に着くと昨日お魚を見て驚いていた門番さんが声を掛けてきました。
「 おはようございます!」
私達が元気に挨拶を返すと、門番さんもニッコリ笑います。
「 おー、昨日のデケェ魚はどうなったんだ?」
「 あれなら、家族で美味しく頂きました!」
私がうふふ、と笑いながらそう話していると、早く森に行きたいゼノ君が袖を引きます。
「 私達、今日もお魚を取る予定なのでまた帰り道に。では、ごきげんよう!」
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