1504人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
その後、ゼノ君とザインお兄様が帰ってくる間に、3匹の鯉モドキと小ぶりなナマズ2匹が釣れました。
キャスティングして、ものの数分で食いつくのです。
…よくよく考えてみれば、日本のお魚は釣り針や糸が見えると警戒して食いつかない…と雑誌に書いてありました。
それに対してこの世界のお魚は、釣られる事が今まで無かったので警戒心が無くて当たり前…だから、やたら食い付きがいい事に合点がいきました。
お魚達には悪いですが…私、容赦は致しません!!
「 おい、ちゃんと反省してるのかよ!」
「 勿論です…本当にごめんなさい。」
「 オリーゼ、命に関わる事だからこんなに怒ってるんだよ?身体ごと沼に引きずり込まれても、その竿絶対離さないでしょ?」
今は、絶賛お説教中です。
正論を述べられて頷くしか出来ない私は正座してひたすらに謝ります。
そして、暫くしてお説教が終わるとゼノ君とザインお兄様が素材の加工に入ります。
枝を払ったり、ツルに付いている葉を取ったり。
私はいそいそとトゥルナを捕獲し、釣り針にセットします。
「 おい、お前…俺達の話し、聞いて無かったのか?」
すると、ゼノ君がムッとした顔でコチラを見ます。
「 今はゼノ君やザインお兄様がいますから、万一大物が掛かったとしても大丈夫でしょう?それに私達採取に来ているのですからそれなりに持って帰らないと。」
「 もう、充分な量だと思うけど…」
ザインお兄様の言葉にうっ!と詰まります。
私の籠の中で跳ねているお魚は、軽く見積もっても昨日のナマズの2倍程の量があります。
「 で、でも多いに越したことはありせん!私はどうしても釣りたいのです!!」
そう言って、ヒュッ!とキャスティングします。
そんな調子の私に、目を見開いた後呆れた表情をするお2人…
前世で釣りが原因で死んだ程私はお魚が釣りたかったのです…
この沼に居る間、私はできる限りお魚を釣りまくりますよ!
最初のコメントを投稿しよう!