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「 オリーゼ、これ以上は持って帰れなさそうだからストップ!」
暫く釣りをしていると、お兄様からストップが掛かります。
ふぅ…大漁です!
籠三つにぎゅうぎゅうになったお魚達。
確かにこれ以上釣ったら重くて持てなくなってしまいますし、圧死するお魚も出てきそうです。
「 わかりました…!」
「 じゃあ、今日も早いけどもう帰ろうか。」
「 む…」
釣竿の枝と、ツルの加工に一段落したゼノ君が少しだけ不満そうにします。
「 ごめんなさい、お2人とも私達のわがままのせいで…」
「 次からは気を付けろよ。」
「 ははは…」
私は、はい。とお返事をして帰る準備を始めます。
そして、籠を背中にかけて立ち上がります。
「 うっ…!想像以上の重さです!」
「 誰のせいだと思ってる…!」
「 すみません…。」
反論の余地なしなので、プルプルする足を踏ん張って帰路に着きます。
これは、だいぶキツイですね…
同じく辛そうに歩くゼノ君とザインお兄様を見て、もうわがままは言わないと心に誓いました。
「 お!ボーズ達…大丈夫か?バテバテじゃねぇか!」
街の門に辿り着くと、門番さんが驚いたようにコチラに来ました。
そして、籠の中身を見てまた仰天します。
「 いったいどうやってそんなに取ってんだ?家の弟が冒険者やってて、この前帰郷した時に魚の魔物を食ったら美味しかったって聞いたんで俺も食ってみたいねぇ…。」
「 それなら、少しお分けしますよ!」
籠の中身が減ってこれ幸い!とばかりに籠の中からコイモドキを1尾取り出して差し出します。
「 いやぁ…貰った所でどうやって食ったら良いのかわからんしなぁ…気持ちだけ受け取っておく。」
むむむ…
「 わかりました…それでは。」
門番さんにお別れをして、ヒィヒィいいながら家にやっと到着出来ました。
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