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「 お帰りなさい…あら、バテバテじゃない!」
家のドアを開けると、お母様が驚いたように駆け寄ってきた。
「 オリーゼが魚を釣りすぎたんだよ…」
お兄様が、ウンザリと言った顔で籠を降ろす。
私とゼノ君も籠を置いて呼吸を整えます。
「 まぁ…オリーゼ、こんなに釣っても食べ切れ無いでしょ!」
そして、籠の中身を見たお母様からカミナリが落ちました。
「 ごめんなさい…」
「 さっさと着替えちゃいなさい!それからゼノ君も悪いんだけど着替えついでにミーンを呼んできてちょうだい。」
それに返事をしたゼノ君は自分の家に着替えにいきました。
「 こんにちは…まぁ、こんなに沢山…」
暫くして、ミーンさんとゼノ君が家に来ます。
「 ごめんなさいねミーン、ゼノ君にまでこんな重いもの持たせちゃって…」
「 それは良いんだけど、この大漁の魚…どうするの?」
うーん、とお2人が顔を合わせます。
「 あの、提案なのですが…バーガーにして売ると言うのはどうでしょうか?」
私の言葉に、皆さんが首を傾げました。
「 バーガーって何よ?」
「 えーっと…衣を付けて上げたお魚をお野菜やソースと一緒にパンに挟んだものです。」
それでも分からないようなので、実際につくるとしましょうか。
私はまず、卵黄と酢とオリーブに似たリオーブの油を混ぜ合わせてマヨネーズを作ります。
次に家にあったパンをおろし金ですりおろしてパン粉を創りました。
「 タレスの葉はありますか?」
「 タレスなら家にあるわ、ちょっと待ってて!」
そう言って帰ったミーンさんがレタスにソックリのタレスを持ってきてくれました。
「 ありがとうございます。あ、お母様…マトマを取って下さい。」
家の食材置き場からトマトにソックリなマトマを持って来てくれたお母様。
ソレを輪切りにして、後はお鍋に油を注いで準備は整いました。
「 ああ、そんなに沢山油を…」
この世界では、油はそこそこ値が張るのでお母様が少し恐れ多い表情になりました。
そんなお母様に、大丈夫です!と胸を張ります。
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