初めての森

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「 これは当たるわよ…!ミーン、貴方のお兄さん確か屋台を出してたわよね!」 目を爛々と輝かせたお母様が、グッと拳を握ります。 「 えぇ、肉団子スープと果実のジュースのお店よ…パッとしないしいいわ、ジャックしちゃいましょう!!」 え…っ?! 善は急げといわんばかりに、お金と食材をかき集めて調理器具をまとめると、「 ほら、ボサッとしてないでこれ持って!」 とタレスを丸々1個持たされました。 ゼノ君とザインお兄様もそれぞれ調理器具や食材を持たされると、魚の籠を背負うように言われます。 え、この上私達お魚も持たなきゃいけないんですか?! …と言うか、凄い行動力です… あれよあれよという間に準備は整い、そのまま市場まで向かいます。 ミーンさんのお兄さんがやっていると言う市場まで、歩いて約20分程かかりました。 ただでさえ重いお魚の入った籠を背負って他の荷物も持たされていた私達はついた瞬間座り込んでしまいました。 「 おや、ミーンじゃないか!それにゼノも…どうしたんだ?」 優しそうな顔付きをしているミーンさんのお兄さんが、驚いたように私達を見ます。 「 兄さん、ここ…ちょっと借りるわよ」 そういったミーンさんは、屋台の中に入るとガッ!とスープが沢山入ったお鍋を持ち上げて降ろしました。 …凄い力ですね… 「 ミーン!何をしているんだ!!」 慌てふためくお兄さんを他所に、家から持参した鍋をセットし、油を注ぎます。 お母様も持ってきた物を着々とセットして行きます。 「 な、何なんだいったい…!!」 お兄さんが悲鳴を上げるように言います。 「 ごめん兄さん、今日だけちょっと借りるわね。」 「 オリーゼはパンとさっきのソース、ザインはマトマとタレス、ゼノ君は油と卵を買ってきてちょうだい!頼んだわよ!」 やっと重いお魚を運んだと思ったら、今度はお使いですか?! 私達もお兄さんのように悲鳴を上げたくなりましたが、お金を握らされてそのままお母様に、行った行った!!と手で追い立てられたので慌てて私達はいい使った物を探しに行きました。
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