海竜

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「 やっぱり…凄いな!」 そう言ったのはクライン様で、場の雰囲気が緩くなった所で真っ先に海竜に駆け寄っていました。 私も近くに行き、海竜を観察します。 「 …あら?」 私はある事に気が付きます。 海竜…と言うくらいなので鱗が生えているものと思っていましたが生えていません。 代わりに毛足の短いターコイズブルーの毛がビッシリと生えています。 水の中で暮らしているにも関わらず、その毛は立っていて絡まったり汚れたりはしておらずとても綺麗です。 「 あの、少し触れてみてもいいですか?」 「 勿論、好きなだけ見てくれ。」 ロドリゴさんに御礼を言うと、毛に触れてみます。 …!!!これは!!! 私は衝撃のあまり両手で触りまくると、そのまま顔を埋めます。 これは…前世で愛用していた敷きパッドにソックリな感触です! 今世では掛け布団もシーツも敷布団も麻でゴワゴワだったのでこれはたまりません!! 「 お、お嬢ちゃ…オリーゼ様も早速気に入ったようだな、その毛はナメした後も触り心地が良くて毛も抜けにくく丈夫な上、強い魔法耐性を兼ね備えながらも水を弾く性質を持っている、冒険者からお貴族様まで誰もが欲しがる素材なんだぜ!」 へぇ~… 「 そうなんですね…あと、様など付けずにお好きなように呼んでくださいませ…はふぅ。」 生まれ変わってから久しく触れてなかった肌触りを堪能します。 海竜の腕の付け根から生えている巨大なヒレが若干生臭さを発していますがこの触り心地の前にはさしたる障害ではありません。 まさか、生まれ変わってもこの感触に出会えるとは…。 「 確かにこれは堪らないな…!」 「 うひょー、何これ気持ち~!」 振り向くと、クライン様とエッフィーさんも並んで頬をスリスリしていました。 これは…どうしても欲しいですね。 海竜皮の敷きパッド… 「 はぁ…何と素晴らしい…」 気が付けば、マーガレットさんも同じ事をしていました。 そして、ラーネット様も仲間に入りたそうに…しかし恥ずかしそうにしていたので手招きすると、ならば…とやって来て同じようにその感触に酔いしれてました。
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