第三話 夢舞台

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「焼きそばとタコ焼きが食べたいわ! あと、焼きモロコシに冷やしキュウリ!」  園子は普段食べないB級グルメに目をキラキラさせている。興味津々の様子だ。 だが、このようにごった返し暑い最中、主人をみすみす直射日光の餌食にはさせられない。真壁はすぐに、良い場所を見つけた。室内に席があるらしいのだ。 「学園の中に参りましょう。まずは席を取らないと」  と主人を促した。学園の中に入る迄に、駄菓子屋や、ダーツ等の屋台風の催し物に 興味津々の園子。  やがて学園内に入る。藤の花の彫刻を施された入り口の壁が、見事だった。 学園内はクーラーがよく効いている。フリー席はすぐにわかった。まだ午前中のせいか、数人しか座っていない。まずは席を確保すべく、真壁はスーッの上着を脱ぎ、ハンカチを席に置いた。  主人をこの場に置いていったら、どこの馬の骨ともわからぬ奴がナンパして来ない とも限らない。主人も連れて買い物に行く事を決断した。  嬉しそうにはしゃぐ主人。今日一日、学園祭が終わるまでは出来る限りの願いを叶えてやりたい。そう思った。
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