epi.2

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「東雲さん、例のレビューしあげてきました。確認してください」 次の日、出社するなりレビューと共にローターをつき返してやった。 今の私は傍から見たら完全なドヤ顔に違いない。でも後悔はしない。 惜しむらくは、他の三人が取材やらなんやらで午前中は不在だということくらい。 まあいいか、一番ひれ伏せたいのはこの人だし。 ここで素直に謝れば昨日の犯罪も許してあげよう。 「へー・・総合評価68点か。結構厳しい目で見たね」 「客観的に判断しましたから。最初は充電式なのが手軽で良いと思ったんですけど、完了するまで使用できないのがちょっと。 3時間と言いつつ、いろいろ試してたらすぐに切れちゃいましたし・・マイナス点はそこですね」 「ほうほう。いいねえ、そういう意見重要だよ」 ふふっ・・メリットデメリットを並べた方が女性には説得力がある、ここがポイントなのだ。 東雲さんもわかってくれたみたいで良かった、ともはや上目線で見ていると、不意にローターを手のひらに乗せられた。 「これはもう小見さんのだよ」 「えっ・・別にいらないんですけど」 「次はこの分析を踏まえたうえで、実践してみないと」 はっ、と気づいた時には手遅れだった。 メガネの向こうの瞳は全然笑ってない。 やばいと身を引くより早く、東雲さんの腕が伸び、腰に回って引き寄せられる。 あっという間に身体がくっつき、東雲さんの胸元に私の頭が当たった。 「ちょっと、やめてください」 そんなに力を込めてるようでもないのに、必死にもがいても身体は離れず、東雲さんは平然としている。 これじゃ昨日の二の舞になる。 いや、状況からしても、危険度レベルは振り切っている。 後ろ手にカタカタと聞こえる音が、余計に恐怖を倍増させた。 今の、蓋を開けて何かを取り出したっぽいんだけど、まさか・・そこまでしないよね!?
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