epi.3

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チラッと隣を見ると、今次さんはニコニコと撮影を見ている。 でも、その向こうにいる女性スタッフさんは、口元に手を当てて、ほう・・とため息をついていた。 やっぱり見惚れるよね。 キスを繰り返した後、タイチさんが唇を徐々に下へとずらし、首筋にかかった髪をかきあげながら顔を埋めた。 意識してるのか、ここからでもちゃんと舌を這わす様子が見える。 愛撫をしつつ、カメラへの意識も怠らないのはさすがプロと言ったところ。 影になってしまいそうな時は、愛実さんの身体を支えて角度を変えて先へと進んでいく。 「あ・・」 ついに艶めかしい声が漏れ、鑑賞しているこっちも握った指に力がこもった。 「あれホントに気持ちいいんだって」 「えっ?」 今次さんの声につられて、よくみるとタイチさんの舌は、鎖骨のくぼみを舐めている。 上下に行き交うたびに愛実さんは体を震わせ、視線を落とした。 確かに、あんなとこじっくり舐められたことってないかも。 って想像してどうする、ダメダメ、仕事なんだから客観的に見なくちゃ。 なんとなく奥がむず痒いのは気のせいと思うことにして、再び2人に目を向ける。 跡がつかない程度にちゅっと肌を吸い上げながら、タイチさんはカットソーの裾から手を差し込み、ゆっくりと上に持ち上げた。 「ばんざいして」 「うう・・」 この優しい声がまた良いなあ、保護されてる気分。 スタッフさんもついにもごもごと呟き始めた。素敵、とかいいなあ、とか聞こえた気がする。 簡単に上着とキャミソールを脱がし、愛実さんの上半身を包むのはブラだけになってしまった。 想像の通り、とても形の良い胸だ。ブラのカップに隙間がなく、かといって不自然に盛られてる感じもない。 張りは素晴らしいようで、タイチさんがつつくように指を当てるとその形通りに凹み、すぐに戻る。 「やだあ」 恋人同士のじゃれ合いそのものに愛実さんが笑って身体を捩った。 くすくすと喉を鳴らし、胸で遊ぶタイチさんの頭を撫でる。 今度は立場が変わり、子どもを抱きしめ包み込む女神みたいだ。
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