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俺が首を傾げていると、じれったそうに、吉村が言う。
「握手だよ、握手!」
「ああ。」
俺も手を差し出す。
吉村は、ことさら強く握って微笑む。
「ありがとうね、西野君。私、気が強いとか見られるけど、頼まれたら断れなくて、なんでも引き受けて、困ってしまうタイプだけど。西野君が、いつも助けてくれたから、やってこられたよ。」
「俺も、吉村とだから、上手くやってこられたと思う。ありがとう。なんて言うのかな。同志とでも言うのかな。そんな感じ。」
「同志か。そうだね、そうかも。」
二人して、笑った。
心から笑った。
「なあ、吉村。俺たちは、仕事ばかりの付き合いだったからさ。受験が終わったら、遊びに行こうぜ。」
「そうだね。それもいいよね。」
俺たちは、二人で乾杯した。
7年後、俺たち二人は、結婚した。
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