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して……何故俺がこのような事を冒頭で話したかと言うと、それは隣の席の奴。まあ女なんだが、そいつの事をここで語っておきたかったからである。
所謂、前座と言うやつだな。
今日も今日とて俺は現在通っている県立高等学校、東高校の長い廊下を歩き、自分のクラスである一年五組の教室へと入り、これまた自分の座席にどっこいせと着いて机の鞄掛けに通学鞄を掛けようとしたまさにその時だった。
「岡崎(おかざき)君、このガムあげるわよ」
この女……俺が語りたかったのは、学校に来て早々、如何にも怪しい仕掛けが施してありそうな板ガムを、これでもかと言う程平然に俺に差し向けている、天地魔白(あまちましろ)という女について言いたかったのである。
差し出された手前、俺も受け取らざるを得ないだろう。どうせ何か目論んでるに決まってら。
俺は板ガムに触れる。その刹那、板ガムからは軽い静電気程の電流が流れ、俺は板ガムから即座に手を払いのけたのだ。
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