ある梅雨の日

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目の前に誰かいる。 霧の中にいるように白い薄い影。 これは。。。夢? 貴弘の頭はぼんやりしていた。 フワフワした足どりで影に近づくと、それはハッキリした形になってきた。 あれは。。。女だ。 長い艶やかな黒髪。 切れ長で涼し気な瞳。 スレンダーな体付き。水色のブラウスとタイトなスカートがとても似合う。 美人だ。 貴弘の心は弾む。 女は貴弘の目を合わせると微笑んだ。 ゆっくりと腕をのばすと、女の細い指先が貴弘の頬に触れた。 そして、ゆっくり顔が近づいてーーー。
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