epi.6

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あ、充電器がない。 昨日リビングで充電して、そのまま置いてきちゃったんだ。 急いで取りに行きリビングのドアを開ける手前で、響いてきた甲高い声に足を止める。 「もーっそういうこと言うのナーシ、やめてよーっ」 キャーッとはしゃいで足をバタバタ叩きつけてる姉の様子がありありと伝わってくる。 自分の部屋じゃないとこで電話してるの珍しい、てか凄いテンションだなぁ。 邪魔して悪いけど充電器だけ取らせてもらおう・・と、そっとドアを開けてまず中を覗き込む。 この姉は時に会話に人を巻き込んでくるから、気配を消して素早く回収しなければ。 スピーカーフォンで話に参加させられたらたまったもんじゃない。 「そんなことないよ、あたしが一番よくわかってるから」 うんうん、わかるわかる、だから振り返らないでね。 そのままソファの上で膝を抱えてキュンキュンしてて・・ 生温い目で姉に念を送っていた私は、現状を悟り動きを止めた。 彼女がしていたのは電話越しのリア充な会話ではなく、生の声だった。 「・・・・・お姉ちゃん・・誰とお話してんの・・」 お花畑な頭だと常々思ってはいたけど、まさかテレビ越しにアイドルと会話してるなんて。 四角い画面の中では、今大人気の若手くんが口を尖らせ「ホントはお前が一番大事なんだぜ」と呟いている。 恋多きミーハー女子だということはわかってたけど、アイドルとバーチャルで浮気ですか? 彼氏が見たら泣くよ、いろんな意味で・・
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