憂鬱な朝食

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「では、僕のお願いは何にしようかな?」 すんなりと割って入ったのは三兄の真月(まさつき)兄さま。 雪兄さまをひとまわり小さく、幼くしたような、可愛らしい容貌と、無邪気で奔放な気質は、万人に愛される武器となる。 その実態は、かなりの天の邪鬼で腹黒、いわゆる小悪魔なのだが、嫌われないギリギリのラインを攻めているあたり、相当な策士でもある。 利害が一致すれば心強い味方にもなるので、敵対しない限りは自由にさせておくのがいい。 「月兄さまのお願いでしたら、いつでも承りますわ」 どんなことでも、と明言しないでおくのが肝だ。言質をとられると面倒この上ない相手なのは、長年の付き合いで学習済みである。 「じゃあ、とっておきのお願い、考えておくね!」 妹にウィンクするな、バカ兄。 基本的にこの三人は、頭に超弩級がつくほどの妹バカなのだ。胸焼けしそうなこってりのクリームよりも甘く甘く、溺れそうなほどに私を甘やかす。 そして、なるべく自然に見えるように、 最後に残った兄に視線を送った。 「おはようございます、愛兄さま」
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