憂鬱な朝食

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食堂になっているホールの扉を開くと、既に観客は勢揃いしていた。 今日は土曜日。学校も仕事も、一般的には休みとなっているが、この北白川家は毎日同じスケジュールで動いているので、休日だからといって寝過ごすことは許されない。 まだ7時だというのに、今すぐにでも外出できそうなほど、一分の隙もなく身なりを整えた兄たちをゆっくりと見渡して。 くっきりと、にっこりと微笑む。 眉間に視線が集中する。 「おはようございます、兄さま方。今朝はお揃いだなんて、お珍しいですね」 可愛らしい妹の振り、としては満点だろう。朝から笑顔の大盤振る舞いだ。 「おはよう、今朝も可愛らしいね、美澄」 上座に座るはずの北白川家現当主、真兼(まさかね)お祖父様は離れの自室にいる。ご高齢すぎて、無駄に広い本館内の移動が難しいので、全面バリアフリーの離れで生活なさっているからだ。 次席の真時(まさとき)お父様は、海外での事業がどうとかで先月から不在にしている。国内にいたとしても朝食をともにすることなど滅多にないから、同じことだが。 そして、現時点でこの屋敷の頂点に位置しているのが、長兄の真雪(まさゆき)兄さまだ。
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