うぜえ文化祭

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そうだ、今日はいまわしき文化祭の前日。あのくだらねえ喧噪!ただ騒ぎてえやつらがぎゃーぎゃーやるクソうぜえ、心底クソうぜえ行事の前日だ。『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』は、文化祭前日を繰り返す話だが、俺はこんなクソみてえな現実、全然繰り返したくない。誰だ、高校生は青春真っ只中とか言った奴は!青さも春もねえわ!目の前の風景はどす黒く、心も一年中極寒だわ! 「私が出すクイズに答えることができたら、君が望むものをあげよう」 女は高圧的な態度でこう話しかけてきた。この女と朝、校門でばったり会ったのが、最悪なスタートの合図だ。色とりどりの花で彩られた校門のアーチが疎ましく思える。 「うるせえわ!なんだ、なんなんだてめーは!」 俺は、男らしく吠えたはずだったのが、この女にとってはそんな遠吠えもチワワのキャンキャン声程度にしか聴こえなかったのだろう。勝手に話を進める。 「相変わらず君は、私の前では態度がでかいな」 「うるせーわ!てめーも女のくせに態度でかくて、というか愛想もなくて、しゃべり方もおかしくて、高圧的でプライド高くて友達いねーだろーが!」 思わずこの女の嫌なところをつらつら並べてしまった自分に腹が立つ。並べられるほどの関心があることを、女のほうに既にさとられているからだ。 「相変わらず、君は私のことをよく見てくれているんだな。いいだろう。そんな君なら私が出す問題は簡単なはずだ。第1問。私の名前は?」 『君の名は』ってか?ふざけんな!てめえは三葉ほど可愛くねえし、俺は瀧くんほど真っすぐじゃねーだろうが!
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