うぜえ文化祭

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「校舎を歩き回って疲れてきただろ?この教室どうだ?文化祭前日だというのに珍しく人もいない」 喧噪からややはずれた場所にある校舎の隅っこの教室に来た。くそ、こんな場所までやってくるとは。 「この教室は静かだ。いいね、窓から夕陽が青春を感じさせる。はは、どうりで静かだと思った。ここはゴミ置き場なんだな」 教室は、机や椅子が無造作にならび、段ボールや発泡スチロール、色紙やガムテープ、マスキングテープ、セロテープやらのゴミが散乱している。クソが!何が文化だ!ゴミ出しやがって! 「君は、クイズに間違ってばかりだな。よし、私がチャンスを与えてあげよう」 そう言うと、女は机の上に無造作に置いてあったナイフを手にとって俺に柄を差し出してきた。 「刃渡り15cmの刃物がここにある。さあ、問題だ。君はこれをどう使う?」 この女はよ、どうして俺をこう挑発してーのかね。俺は右手でナイフ持って、しばらく考えたよね。このむかつきをどうしたものか、と。 「さあ、君はどうする?そのナイフで私を刺して私を殺してネットで叩かれるか?君が私を刺すことは簡単だろう。その15cmのナイフでまっすぐに私の胸を刺して怒りを発散させるだけだ。あとには何も残らない。その後の人生も棒にふり、君の家族、私の親戚、学校や警察の人たちにも多大な迷惑をかけるだけだ。ただそれだけだ。さあ、これがラストの問題だ。君はどうしたい?」 ああ、刺してえわ。こんなむかつく文化祭前日に、こんなクソうぜえ女といて、こんなに怒りにまみれた感情でいる俺にとっては、それはそれはもういい武器をくれたもんだぜ。 「てめえ。俺がどうするか分かって聞いてんだろうな?」
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