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――「梨世ちゃん。たくさんイっちゃったね」
「……はぁ、ん」
尚くんは相変わらず、何食わぬ顔でそう言って私ばっかりこんなんなって、すごい悔しい。
「次は負けないもん」
「勝てるもんなら勝ってみようホトトギス」
「尚くんそれを言うなら鳴かないよじゃない?」
「ふふ、梨世ちゃんおバカだね、鳴かぬならだよ」
「??」
「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」
「鳴かないよどうしようホトトギス」
「梨世ちゃん……なにそれ可愛い」
ワケわからないやり取りをして、唇をはむってしてくる尚くんに任せてまた、ぬらぬらと舌を絡めて濃厚なキスをする。
「あぁ、もう僕のお嫁さんなんでこんななの。おバカで可愛くてエロいって至高」
「褒めてるのか貶してるのかわかんない」
「褒めてるよ?」
もう一回戦シよっか?と言われて断れず、結局。尚くんのペースに持ってかれてまた私は彼の腕の中で艶かしいメスの嬌声をあげる。
「ひっ……あっ……ぁんっ、あん」
「可愛い、可愛いよ……梨世……」
「もっ……と……尚が……欲しいっ……」
「!」
尚くんが、小さく『負けた』って言ったから私はちょっとニヤリと嬉しくなっちゃって彼のをいつもよりキュッと強く飲み込んだ。
そしたら尚くんが少し歪んだ顔をしたから、私は負けじと彼の耳を少し強めに噛んでやった。
「っあ!」
「!!」
死にそうな彼の喘ぎ声に、私は反射的に涙が溢れてきてしまったもんだから、泣きながら何度も何度も彼に好きと伝えたの。
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