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「……あとは~」
「まだ何か買うの……?」
てんこ盛りになったカートを見つめて、尚くんはまだ何か欲しいらしい。
際限なく買うのはやめさせなくちゃ。
妻として、ママになるものとして!
「尚くん」
「ん?」
「そんなにいっぱい買ったらダメだよ」
「なんで?」
「ダメだから」
「?」
ダメな理由?ダメだからだよ!
もぉ、ぷんだよ!オコだもん!
「いいでしょ? 今日はホームパーティだし」
「でも……」
「僕もそんなに際限なく買わないよ、今日はふたりが来るから梨世ちゃん、ご飯は腕を振るうって言ってたでしょ?」
「うん……」
「お金とかの心配? それとも子供の教育?」
「どっちも……」
「大丈夫、僕も考えてるから」
「うん……」
「ごめんね? 心配かけたね」
「……そんなことないっ!」
あ……優しいな。
尚くんなりに考えてくれてたの?
結局、なんだかんだ言って負けちゃうね。
「言いたいことは我慢しないで言って?」
「……」
「何言われても、嫌いにならないよ」
「本当に……?」
「うん」
「……じゃあ、パンは1斤ずつ買おう?」
「……はい」
また、しょぼんとしちゃった。
今日はいいよ、と尚くんに伝えるとすぐに笑顔に戻るから、許しちゃうよね。
私ってば、尚くんにとことん甘いなぁ。
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