1 幸せな日常

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「……あとは~」 「まだ何か買うの……?」 てんこ盛りになったカートを見つめて、尚くんはまだ何か欲しいらしい。 際限なく買うのはやめさせなくちゃ。 妻として、ママになるものとして! 「尚くん」 「ん?」 「そんなにいっぱい買ったらダメだよ」 「なんで?」 「ダメだから」 「?」 ダメな理由?ダメだからだよ! もぉ、ぷんだよ!オコだもん! 「いいでしょ? 今日はホームパーティだし」 「でも……」 「僕もそんなに際限なく買わないよ、今日はふたりが来るから梨世ちゃん、ご飯は腕を振るうって言ってたでしょ?」 「うん……」 「お金とかの心配? それとも子供の教育?」 「どっちも……」 「大丈夫、僕も考えてるから」 「うん……」 「ごめんね? 心配かけたね」 「……そんなことないっ!」 あ……優しいな。 尚くんなりに考えてくれてたの? 結局、なんだかんだ言って負けちゃうね。 「言いたいことは我慢しないで言って?」 「……」 「何言われても、嫌いにならないよ」 「本当に……?」 「うん」 「……じゃあ、パンは1斤ずつ買おう?」 「……はい」 また、しょぼんとしちゃった。 今日はいいよ、と尚くんに伝えるとすぐに笑顔に戻るから、許しちゃうよね。 私ってば、尚くんにとことん甘いなぁ。
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