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「絆くんのためじゃなーい!!」
「僕の梨世ちゃんなの!」
「もぉ、んなの知ってるよ!! 尚くんがふたりをうちに呼んで遊ぼうよって言ったんじゃん! 絆くんのこと大好きじゃん! なんなの」
「でもでもでもでも僕のなのーー!!!」
尚くんが駄々こねてる。可愛い。
なんでこんな人なの?まったくもぅ。
「あははっ」
「ふふ」
――ピロン
そんなことを言っているうちにもう夕方。
私たちが笑いながらくっついて遊んでいたらふたりがエントランスまで到着したことを、コンシェルジュさんがお知らせしてくれた。
なんかね、この家コンシェルジュ付きなの。
新聞とか、クリーニングの受け渡しとかタクシーの手配とか、全部してくれるらしい。
「ついたみたい」
「はーい」
尚くんはいつの間にかテレビにゲームを繋いでて、コントローラーもふたつ、準備している。
「うちにそんな立派なゲームあったっけ……?」
「買ってみた」
「そ、そう」
「食べ終わったら遊ぼう?」
「う、うん」
――ピーンポーン
玄関のインターホンが鳴って開けると、絆くんと映美さんが仲良く揃って顔を出した。
「お邪魔します」
「うわっ、尚と梨世こんな立派な家住んでんの」
あぁ、こうして笑いながら昔のことは気にせず4人で過ごせるなんて幸せだね。
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