1 幸せな日常

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「……赤ちゃん、出来たの」 「わぁぁ!! おめでとうございます!」 絆くんと映美さんにもとうとう…… よかったね!よかったね!!! 目を伏せて口紅を塗り直して照れ隠しをする普段と違う映美さんが可愛くて、にやけちゃう。 本当に、よかった。 「うぅっ……絆くん……よかったね……」 「出た泣き虫」 「梨世ちゃん梨世ちゃん、おいで」 「……」 感極まって泣く私を尚くんがよしよししてくれて、お互いのこんな姿を見ても、もう私と絆くんは何もなく、お互いの幸せを願えてる。 それがまた、嬉しくて。 嬉しくて…………? 「尚くん……?」 「うぅ」 「……尚くんも、泣いてるの?」 「なんか、みんなが幸せでよかったなって」 尚くん……あなたのおかげだよ。 ありがとう。 私たち泣き虫夫婦を見て、絆くんと映美さんは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑ってたよ。 ――「そういや、尚、雑誌展行くのか?」 「うん、明日行くー!」 デザートにコーヒーと紅茶と、ちょっとしたフルーツのケーキを出すとふたりとも喜んでくれた。 尚くんにはコーヒー味のロールケーキね。 「雑誌展て、有名なんですか?」 「そうね、ファッション業界やモデル業界、とりあえず雑誌に載る商売をしている人には関心が深い展覧会じゃないかしら」 「そうなんですかぁ」 ふーん、明日それに行くのかぁ。
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