9 一歩ずつ

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――「ありがとうございました! 可愛がってくださいね!!」 結局、2匹とも僕と梨世ちゃんの家族として迎えることにした。 マンチカンが『めたもる』、アメショが『ももちゃん』になったのは言うまでもなく。 「めたもるー、僕のピンクの飴をあげよう」 「だ、だめ!」 「ふふ、嘘だよ」 家にたどり着き、あんまり使ってない納戸みたいな広い空きスペースがあるからそこを2匹の部屋にした。 早速お部屋と寝床とご飯の場所を作ってあげて、新しい場所で怯えないようにふかふかのお布団に2匹とも連れてきた。 「赤ちゃん、産まれたら猫に引っ掻かれないようにしなきゃ」 「大丈夫だよ、赤ちゃんと猫たち仲良くしてくれるはずだよ」 「そうだといいな」 梨世ちゃんが恐る恐るふわふわのももちゃんに触っている。 暖かそうな毛並みを撫でる梨世ちゃんが、途端に笑顔になるから可愛くて困る。 「……ん?」 その様子を見つつ、目線をずらすと、めたもるが早速僕の膝の上で無防備に寝始めた。 警戒心が無さすぎる猫でびっくりするよ、もう。 「めたもる……人懐っこいな」 「尚くんのこと仲間だと思ってるんじゃない? たまに猫みたいに可愛いんだもん尚くんて」 「!」 梨世ちゃん……言ったね? ふふ、僕は猫じゃない、人間のオトコです。 「梨世。僕はキミに毎日欲情してる。それでも猫だって言うの?」 「……へっ」 驚いている梨世ちゃんがももちゃんから手を離し、良からぬ雰囲気を察知したって顔で後ずさる。 いいね、その顔。 食べちゃおう。
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