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――「ありがとうございました! 可愛がってくださいね!!」
結局、2匹とも僕と梨世ちゃんの家族として迎えることにした。
マンチカンが『めたもる』、アメショが『ももちゃん』になったのは言うまでもなく。
「めたもるー、僕のピンクの飴をあげよう」
「だ、だめ!」
「ふふ、嘘だよ」
家にたどり着き、あんまり使ってない納戸みたいな広い空きスペースがあるからそこを2匹の部屋にした。
早速お部屋と寝床とご飯の場所を作ってあげて、新しい場所で怯えないようにふかふかのお布団に2匹とも連れてきた。
「赤ちゃん、産まれたら猫に引っ掻かれないようにしなきゃ」
「大丈夫だよ、赤ちゃんと猫たち仲良くしてくれるはずだよ」
「そうだといいな」
梨世ちゃんが恐る恐るふわふわのももちゃんに触っている。
暖かそうな毛並みを撫でる梨世ちゃんが、途端に笑顔になるから可愛くて困る。
「……ん?」
その様子を見つつ、目線をずらすと、めたもるが早速僕の膝の上で無防備に寝始めた。
警戒心が無さすぎる猫でびっくりするよ、もう。
「めたもる……人懐っこいな」
「尚くんのこと仲間だと思ってるんじゃない? たまに猫みたいに可愛いんだもん尚くんて」
「!」
梨世ちゃん……言ったね?
ふふ、僕は猫じゃない、人間のオトコです。
「梨世。僕はキミに毎日欲情してる。それでも猫だって言うの?」
「……へっ」
驚いている梨世ちゃんがももちゃんから手を離し、良からぬ雰囲気を察知したって顔で後ずさる。
いいね、その顔。
食べちゃおう。
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