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「新聞や本と言ったメディアは、テレビとは全然違う面白さがあるんだ。俺は朝刊と夕刊、本も一番売れてる週刊誌1冊、サービスでもらってた。それをくまなく読むと、日本は面白い国だと気づく。だから、俺はその面白さを日本だけで終わらせたくなかった」
「……それで?」
「お前が写った雑誌も見た。確か、Re:viveって言う雑誌だったよな? このモデルさんが今中高生に人気なんだ、って思ってた覚えがある」
「自分と似てるなぁ、とか思わなかったの?」
「だって、今よりも似てなかったよ。それにちゃんと女の子だったじゃん」
「まぁね」
「……そのあと、俺は高校には行かずアルバイトをしてお金を貯めて、いろいろな援助を受けて18になって高認試験受けて、アメリカの大学に進学した」
「え、大卒なの?」
「んまぁ、海外に住む方法って言ったら当時の俺に出来ることなんて、留学しかなかったから」
「……我が兄ながら最強だよ」
思っていたよりだいぶすごい努力をしてきたのだと知って、僕は彼に更に興味が湧いた。
「いつ、会社始めたの?」
「もう、基盤は17ぐらいんときから作ってた。パソコンは、譲り受けたりして上手くやってた」
「は?」
「俺、天才みたい」
「絆みたいでなんかむかつく」
「……それ言われると俺もむかつく」
どうして、僕の周りにはこんなにすごい人ばかりなのかな。僕も頑張らないと足引っ張っちゃうや。
兄さんは、僕が全く知らない世界の中で生きていたんだ。
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