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「なぁ、いつも思ってたけど尚だけなんで違うご飯なの？」
「僕、肉と魚と野菜が食べれないから。あ、じゃがいもは大丈夫で、最近トマトも食べてみてる」
「えっ！？」
「いろいろあんの、僕にも」
「お、おう」
豆腐の味噌汁をすする尚くんに、絆くんがタブーな質問を投げ掛ける。だけどあんまり気にしない尚くんは絆くんの食べる鮭を見てる。
「……」
「気になるの？」
「……美味しいかなぁ」
「うん、私が作ったんだもんっ美味しいよ！」
そう言って尚くんの気を引いてみるけど、彼はじーっと見るだけ。
「尚、穴開きそうなくらい見んなよ」
「梨世ちゃんがあーんしてくれるなら食べてみたい」
「！」
「梨世、天然記念物過ぎだろコイツ」
結局、埒があかないから今度作ってあげる約束をして、朝ご飯の時間はお仕舞いになった。
そして、相変わらず尚くんは洗い物をしてくれる。
「尚くん、お昼はお弁当作るからね」
「本当に！？ どうしよう、梨世ちゃんが握ったおにぎりが食べられるなんて僕死にそう」
「大げさだなぁ、だから尚くんお弁当箱用意してくれるかな？」
「はーいっ！！」
映美さんはテーブルから全然動かないし、しゃべらない。
低血圧なのかなぁ、起こすためにお弁当作るの手伝ってもらおうかな。
「映美さん！ お手伝いお願いしますっ」
「……待って、わかったから」
「はいはい、起きてーっ！」
「……」
うわぁ、こんな嫌そうな顔すんのね、この人。
なんかおもしろいなぁ。
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