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――「ふぅん、Spicaね。来週の……土曜日……おーい、宙!」 「なんですかまた急に」 尚から紗柚のスケジュールを聞くなり、俺はすぐさま自分の予定を確認するため秘書の宙を呼んだ。 「ごめん、来週の土曜日だけ、いや、金土日だけ会社頼むわ」 「は?」 「紗柚のデビューの日なんだよ、日本行く」 「……禅社長、金曜は昼から市場調査の立ち会い、土曜はパーティ、日曜は朝からシアトルに飛んで取材でしょう」 「……そうか」 「そうです。だから無理です」 「…………そうか」 「はい、では、今日もお疲れ様でした」 「………………そうだよな」 「……サヨウナラ」 ――バタン 「そーーらーー!!!」 「うるさいなぁ! こんの我が儘ロリコン野郎!」 「…………お願い」 「無理です」 「お願いします、宙さま」 「……そんな目で見つめないでくださいよ、あー、この姿全世界の晒し者にしてやりたい」 「お願いします、俺の最強で最高の秘書の宙さま」 「……わかりました、スケジュールはずらせないんで、禅社長が夜中もちゃんと起きてるって言うなら日本のテレビ中継を繋いであげます」 「やったー!!!」 ほら、やっぱり俺の秘書は最強だな。 まぁそれも俺の教育がいいからだろうけど。 「報酬は?」 「……俺とスイーツ食べ放題デート」 「いいでしょう」 しかも、宙は見かけによらず甘いもの大好きだからこういうのに連れてくと喜ぶんだよね。 あぁ、紗柚の晴れ舞台、楽しみだなぁ。
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