1 幸せな日常

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――「尚がまじトチ狂ったのかと思ったわ」 「木暮社長って、素顔を知れば知るほど謎な人ね……」 「ふたりとも酷い、僕これが普通なのに」 雑誌展の展示場所から出て、広間みたいなおしゃれな休憩スペースに移動した私たちはそこでお昼にすることにした。 なんて、のんびりした優雅な休日なんだろう。 「有名人4人がこんなとこでのんびりご飯してるなんて誰も思わないよね、ふふ」 「尚くんは目立つからすぐに見つかると思うよ?」 「だってほら、見てみ?」 SNSには既に私たちのことが書かれている。 ――『尚サマと梨世ちゃんがいる!』 ――『生で見ちゃった!尚サマ梨世ちゃんとはぐれちゃったみたいで泣いてた、泣いてもかっこいーっ!』 ――『火野社長と冥賀社長もいたよー』 「絆たちも書かれてるじゃん、そろそろ公表したら?」 「んー、まぁな」 私はそんな会話をよそにお弁当を広げる。 おにぎりと、尚くん用おかずと、皆で食べる方のおかずに、フルーツは苺が出始めの時期だから入れてみたよ。 「はい、尚くんにはオムライスおにぎり、あとおかずは豆サラダとポテトチーズもちとミニトマトね」 「美味しそう……」 「後は、鮭、こんぶ、たらこおにぎりに、唐揚げ、玉子焼き、ウインナー、いろいろあるよ、ちなみにこのタコさんは映美さんが作ってくれた!」 「おい、映美、これエイリアンかよ」 「うるさいわね、じゃあ食べなくていーわよ」 「ははっ、ごめん」 あはは、絆くんと映美さんほんと仲良しだね。 こんな幸せな日々が毎日続けばいいなぁ。
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