2 不思議な縁

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――「おにぎり美味しいっ!」 「もぐもぐ頬張る梨世ちゃんをもぐもぐしたい」 「変態」 「酷いよ、梨世ちゃん……あ、これすごく美味しいよ」 「良かったっ!!」 楽しくお弁当を食べていると、今日のこのあとのデートプランが絆くんから発表されて、午後は六本木でお買い物らしい。 夜はそのままご飯でもいいし、成り行きで決めようと言うことになった。 「夜はAZbar行こうよ尚くん」 「梨世ちゃん、お酒飲んじゃダメでしょ」 「むぅ! 春乃さんに会いたいの!」 「絶対ソフトドリンクにするならいいよ」 「するもん! ね、映美さん!」 「えっ……」 ちょっと、そこは乗ってよね。 だって、尚くんのスーパー美人元カノが働いてるの、見たいじゃんっ!! 「尚の元カノさん、いるんだっけ?」 「そうそう、超美人だよ、ふふ」 「梨世さん、よく何も思わずに行こうって言えるわよね」 「だって、いいお姉さんなんだもん、そりゃあ今でもちょっとは尚くんがなびいたらどうしようとか思う瞬間はあるけど、尚くんは私が好きだもん」 「その自信はどっから沸いてくんだよ」 「ふふ、僕が植え付けた」 「……じゃあ、なんか、しょうがない気がする」 春乃さんが退院してまた普通に働けるのが本当に嬉しいから、私はAZ bar入店祝いをしたいんだよね。 春乃さん、喜んでくれるかなぁ。
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