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――「……木暮さん、生活保護は最後の手段と考えてくださいね、援助してくれる当ては? まぁまだ全然働けるご年齢だと思うのですが――」
パートが、上手く行かなかったの。
なぜかって?
私が働いたことのないまま、こんな歳になってしまったから。
いきなり働くなんて無理。
「大和さん」
「寿菜?」
「……今更になって、いろいろと後悔してる」
「俺と一緒になったこと?」
「そんなわけないじゃない、大和さんと一緒になれたことは私の人生で一番の幸せよ――」
――――……
――……
「禅社長、日本の……役所からお電話です」
「……は? なんで?」
「知りませんよ」
俺が電話を代わると、本人確認をされた。
木暮禅さんですか、と言うことと。
窓口に……木暮大和さんと寿菜さんと言う方が来ています、と言うこと。
「はい、僕は木暮禅と申しますが、そちらの2名は存じ上げません」
――「そうですか、困りましたね……」
「……なぜ?」
――「生活保護を受給されたいようなのですが、ご家族がいるそうで、ご家族がいる場合にはその方にまずは援助の相談を、とお伝えしたところ、息子とどうにかして連絡を取りたいと仰っているのですが、人違いでしたら申し訳ありません」
「大変な方ですね、早く……見つかるといいですね」
――ツー、ツー……
「…………」
――ボト、と電話が床に落ちた。
「…………今更、何」
俺の掴みかけた幸せに、チク、と針を刺されたような気がした。
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