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「そういえばさ、尚くん。R.iseってどんな意味が込められてるんだっけ」
「ん? 日が昇るように、だよ」
「じゃあ、その反対で夜になってもいいよね?」
「えっ?」
尚くんが真剣に話を聞いてくれる体制になって、起き上がって私の隣に腰掛ける。
「プラネタリウム、ドレスでやりたいなぁ」
「どういうこと?」
「……私ね、初めてこの新しいおうちで尚くんと眠れた日、この藍色のカーテンとプラネタリウム、すごく嬉しかったの」
「うん」
「だから海が見える夏の式場に……藍色でキラキラのスパンコールやビーズがついたグラデーションのドレスってすごく映えると思うんだ」
「……キミってさ、ラノンの撮影で髪を黒くしてくれたときも思ったけど、たまにすごく素敵なアイデアくれるよね」
「……本当?」
あ、尚くんが社長の顔してる。
だけど、私の旦那さまの顔も、してる。
なんだか嬉しいな。
「じゃあ、今から作らせるよ。片方の肩口のところが白から始まって、ドレスの裾に行くほど藍色になっていくドレスね。上半身はシュッと締まって見えるけど、スカート部分はボリュームがあって……パールとスワロフスキー、スパンコールでたっくさんキラキラにしよ!」
「うん!!」
尚くんがイメージ画を描いてくれる。
絆だったら、もっといいデザインを思い付くんだろうなとか言ってちょっと不貞腐れてる。
だけど、私のための、私にだけのドレスを作ってくれること……最高に嬉しいよ。
「尚くんは?」
「僕も、びっくりするほど綺麗なタキシードにお色直ししちゃう」
そう言った彼の満面の笑みは、泣きそうになるくらい、素敵だった。
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