16 Happy Wedding!

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――バタン 式場のホテルの部屋に戻ってきた私たち。 すると、尚くんはふかふかのベッドに私を突然組み敷いた。 「っ、あ」 「……ぎゅって、させて」 「……ん」 上から覆い被さるようにして迫ってくる彼は、余裕のない瞳で私を熱っぽく見つめる。そのまま横にごろんと寝転んで、向かい合う形になる。 「……キスの、練習……させて」 「えっ」 それは、尚くんに出会った当時……恋人だけど、プラトニックでいると言ってたときを思い出させた。 私が、初めてこの人を『欲しい』と思った瞬間だったの。 「練習って、何するの……?」 「いいから、黙って……」 そうして、当時のように私の唇を、ゆっくりと尚くんの白くて綺麗な細い指が這う。くすぐったいようなぞわぞわした感覚に包まれたと思ったら、隙間を強引に割って、指で舌を掴まれる。 「んっあ、はっ……」 歯茎の裏や、舌のざらざらを確かめるように彼の指は悪戯に、私の唾液を弄びながらぴちゃ、と鳴る音を楽しんでる。 今は、当時とは違って……彼を欲すれば、もらえる。 それが嬉しくて、自分から彼の指に舌を絡ませる。 「あっ、梨世ちゃん……えろ」 「っ、はぁ……」 「キミって、やっぱり……ものすごく淫乱、だよね」 「そんな、ことなっ……」 ちゅる、と当時と同じように私の絡め取った唾液を指ごと舐める。妖しいガラス玉は、獲物を狙う獰猛な獣みたいに私を捉える。 それを見たら、私の理性は彼よりも早く吹っ飛んでしまった。
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